MATERIALS

靴を制作する
素材について

素材について

デザインが全く同じでも、作る素材が違えば雰囲気や履き心地、価格等は違ってきます。素材それぞれがもつ特長を知れば、自分に最も合ったデザインに一歩近づきます。福岡・佐賀の革靴オーダーメイド専門店「ニヒルビスポークシュー」で取扱っている素材は、数多く存在する皮革の中でも最も靴に適した素材を海外、国内のタンナー(皮革製造業者)から卸業者を通し国内外の皮革を安定的に確保することで、多様な要望に対応しております。またメンテナンスを行うことで長期にわたって快適に安心して履くことができます。ニヒルビスポークシューで取扱っている皮革は全て食肉用の家畜や養殖で、その副産物としての革を使用しておりますので、エコの観点から余すところなく利用されます。

ツヤ革 -Smooth Leather-

冠婚葬祭用のドレスシューズ、ビジネスシューズで最も使用される素材です。皮の表面をそのまま活かしてなめし・染色を行った革で、組織が細かく丈夫で、履けば履くほど足馴染むのが特徴です。

シボ革 -Grain Leather-

シボ革はツヤ革に比べるとややカジュアルですが、シボ革特有の石目模様あり、汚れや傷も目立ちにくいので、雨の日や外回り、出張用の靴に最適です。

起毛革 -Suede , buckskin-

スエードやバックスキンなどの起毛革は、革を毛羽立たせていますので、独特の光沢やあたたかみがあり、リラックスに履く靴に向いています。

コードバン -Codevan-

馬皮の尻部を植物タンニンでなめし、表面と裏面をすき落とし、染色後高い光沢を出すように仕上げた革です。特にアメリカでは、実用性重視のビジネスシューズと言えば、この革です。

エキゾチックレザー -Exotic Leather-

牛、馬、豚など家畜以外で養殖した皮革を総称してエキゾチックレザーと呼んでおり、クロコダイルなどの革があります。その革はどれも個性的な表情でー味違ったオリジナリティーある靴ができます。

海外タンナー

フランス デュプイ社

フランス中部に位置する水の恵み豊かな地域で、「ヴォルヴィック」といったミネラルウォーターの産地でも有名。良質な革を生産するには豊富な水と原皮が必要です。そしてフランスはイタリアとともに子牛を食する文化を持っており、自国で良質な原皮を調達できます。また牛の種類や育った場所も大事ですが、何より母牛のミルクで育っていることが良質な革をつくるのには大事です。同社の生産現場ではさまざま工程とノウハウが盛り込まれています。原皮は腐敗しないように一度塩漬けにされ、最終的にその塩分や血液、毛を落として仕上げていきますが、この工程には1週間かかります。その後巨大なドラムに入れられ、「なめし」を1週間かけて行います。その後は要望に応じて革を染色して仕上げていきます。丁寧に手間暇かけて最高の一枚革ができるのです。

ドイツ  ペリンガー社

チェコとの国境にほど近い、広い田園風景に囲まれた所にペリンガー社があります。1864年に創設され、創業以来一族で営まれ現在は5代目の伝統あるタンナーです。上質な革を原皮から手がけるタンナーは世界でも5〜6社程度しかなく、その中でも自ら経営を行なっている独立のタンナーは同社の所だけともいわれています。現場の職人は25名ほどで、小規模で基本的には創業当時と同じプロセスで革が作られています。通常は24~36時間程度をなめし工程にかけますが、ペリンガー社では150時間かけてなめします。時間を与えてリラックスさせた革が、基礎になります。こうしてつくられた革の原型を最終的に仕上げていきます。着色や仕上げがされていない革を染色して、そのあと繊維をより緻密にするためにガラスの棒で表面に圧をかけて地の艶を出していきます。一枚一枚丁寧に仕上げていきます。また、敷地の角には浄化施設があり、バクテリアによってなめし工程などで生じる排水などを浄化しています。ヨーロッパの厳しい検査をクリアしている革ですが、こうした施設を設置、管理することで、伝統的な革作りを維持しています。