
ハンドソーンウェルテッド製法 - 靴製作の真髄
ハンドソーンウェルテッド製法 - 靴製作の真髄
こんにちは、NIHIL bespoke shoeの靴職人古賀です。
今回は、前回ご紹介した「シャドウシューズ」からさらに踏み込み、NIHILの靴製作の真髄ともいえる「ハンドソーンウェルテッド製法」についてお話ししたいと思います。
ハンドソーンウェルテッド製法とは?
ハンドソーンウェルテッド製法は、クラフトマンシップが詰まった伝統的な靴製作の技術で、NIHIL bespoke shoeの靴作りの中心をなす製法です。この製法は、耐久性、修理のしやすさ、そして快適な履き心地を兼ね備えた、まさに『機能美』を実現します。ただし、デザインや用途に応じて、他の製法を用いる場合もあります。
特徴
- 耐久性: 靴底が劣化しても交換可能なため、一足の靴を長期間使用できます。
- 柔軟性: 足の動きに応じたしなやかなフィット感を提供。
- 修理可能: 靴底を何度も交換可能で、環境に優しい持続可能な構造です。
シャドウシューズとの関係
前回お話ししたシャドウシューズが、履く人の足のデータを記録し、それに基づいて製作が始まるのがこのハンドソーンウェルテッド製法です。
- 基礎づくり: シャドウシューズから得たフィードバックをもとに、インソール(中底)を最適な形に成形。
- 縫製工程: ウェルト(細革)を手縫いでインソールに取り付け、履き心地を微調整。
- 最終仕上げ: シャドウシューズで得たフィット感を活かし、アウトソール(靴底)を縫い付けます。
シャドウシューズとハンドソーンウェルテッド製法の連携により、完全に足にフィットした靴が完成します。
NIHILのこだわり - 技術と職人の力
1. 完全手作業による縫製
機械では再現できない精密さと柔軟性を実現するため、NIHILでは全ての縫製工程を手作業で行っています。これにより、靴の耐久性を最大限に引き出しつつ、長時間歩いても疲れにくい靴を作り上げます。
2. 素材の選定
ウェルトには、特に柔軟性が高く、耐久性に優れた天然素材を使用。シャドウシューズで得たデータを活かし、素材ごとの特性を最大限に引き出します。
3. 修理のしやすさ
ハンドソーンウェルテッド製法で作られた靴は、ソールの交換が容易で、長く愛用することが可能です。これは、NIHILが大切にする「一生履き続けられる靴」という理念に直結しています。
実際の製作工程
ハンドソーンウェルテッド製法は、以下のようなプロセスで進みます:
- インソールへのウェルト縫製: 足の形状に応じて成形されたインソールに、ウェルトを手縫いで取り付けます。
- ミッドソールやアウトソールの調整: シャドウシューズのフィードバックを活かし、各ソールを足にフィットする形状に整えます。
- アウトソールの固定: 高度な技術を要する手縫いとマシンステッチで、アウトソールをウェルトに固定します。
- 最終仕上げ: アウトソールを整形し、表面を磨き上げて完成です。
終わりに
ハンドソーンウェルテッド製法は、見えない部分で大きな役割を果たす、靴製作の「縁の下の力持ち」です。この製法があるからこそ、NIHIL bespoke shoeの靴は履く人一人ひとりの足に「吸い付くようなフィット感」を提供できます。
次回のブログでは、この製法を支える「素材選び」の秘密に迫ります。ぜひご期待ください!
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