ある親子のシャドウシュー試し履き
ある親子のシャドウシュー試し履き #1
2025年9月7日。午前の工房です。
ある親子のシャドウシュー、1回目の試し履きを行いました。

今回の試し履きでは、かかとと履き口の立ち上がりを中心に確認。
設計したラストに対し、足の入り方や脱ぎ履きの感覚を丁寧に検証しました。
お客さんは「すっげえピッタリ」と驚きながらも、履き口の硬さを「馴染む過程を楽しみたい」と話してくれました。

革はバーニッシュカーフ。黒の光沢はまだ深く沈み、
光の角度でわずかに表情を変えます。
ステッチは「狂ってるぐらい細かい」と笑いながら指先で確かめていました。

印象的だったのは、傍らで見守る小さな息子さんの声。
「これパパの靴?」「じゃあ僕もいつか作る!」
そのやりとりが、工房の空気をやわらかく包みました。
「時計よりも、車よりも、靴はやべえな。」
父親の言葉に、職人として深くうなずきました。

この試し履きを経て、次は右足のシャドウシューを製作。
左右が揃ったら、約1ヶ月の実装テストへと進みます。
その時間こそが、靴と人が“互いを覚えていく”期間です。

「時間の経過が好きなんです」とお客さん。
変化を美と感じるその感性が、この靴の未来を決めていく。
わびさびのように、時間とともに育つ一足です。
試し履きは約30分。
大きな修正はなく、右足制作と左右ペアでの最終調整へ進みます。
はじめての
音をまといて
歩き出す
父の輪郭
子にうつりゆく
NIHIL bespoke shoeについて
NIHIL bespoke shoe 公式サイト
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