とても豊かな時間…
NIHILのビスポーク工法は、採寸から始まり靴が完成するまで約1年。
その間に何度となく打ち合わせをすることで、一生を共にできる、履く人の『心にもフィットする』世界に
ただ一つだけの1足が生み出されます。
結納返しで、ご依頼を受けた一足です。
最初、デザインイメージは、冠婚葬祭用にと考えておられましたが、bespoke(打ち合わせ)の中で
『NIHILの靴は、普段から、履くことが何よりの長持ちする秘訣ですよ』と、話していたところ、
それでは普段履けるカジュアルな感じのデザインでと、いうことになりました。
提案したデザインは、エプロンフロント(靴のつま先部分の切り替えがエプロン(前掛け)に似ているとこ
ろから)と呼んでいる、靴のつま先部分を手縫いで縫い合わせる、スキンステッチ技法を使って、ボリュー
ムを持たせています。
紐を通すハトメ5個穴で、紐を締め上げるため、羽根の間隔を若干広目にとってます。その分、スポーティ
ーで、カジュアル感を出してます。
革はカーフのブラウン系を手染めでムラを出して、靴底は、雨に強いラバーソールです。
カジュアルなデザインといっても、足に合わせて木型を削り出すので、既製品にような無駄がないので、シ
ルエットが美しく、上品に仕上がっています。
お客さまから、『ついに仕上がり、嬉しく思いましたが、少しさびしい気もしました。打ち合わせを愉しみ
にしていたので』と。
私も打ち合わせは、とても愉しい時間でした。これが終わってしまうと思うと、さびしいですね。
でも喜んでいただけて、とても嬉しいです。
今は外出しづらい世の中ですが、奥様と一緒にステキな靴がステキな所へ、連れて行ってくれますよ。
K様この度は、ご依頼いただき、ありがとうございました。
そして、ご結婚おめでとうございます。
幸せに、会いに行く一足を。