木型の“形”を数値に落とす
木型の形を“見える化”する|側面テンプレートと計測機の活用
NIHIL bespoke shoeの古賀です。
今回は、修正中の木型(ラスト)をどうやって検証するかを、6枚の写真を使ってご紹介します。感覚だけで仕上げるのではなく、紙や計測機で「見える化」し、意図したラインと寸法を再現できる状態に整えます。
1. 側面テンプレートでプロファイル確認

ヤスリやパテで整えた面は、肉眼ではフラットに見えても、紙を当てると微妙なうねりや段差が現れます。テンプレートは感覚の補助線。足当たりに直結する甲の高さや土踏まずのえぐりを、線として把握できます。
2. テンプレートで甲から踵までの連続性をチェック
甲からウェスト、踵へのつながりは、履き心地とシルエットの両方に影響します。テンプレートが浮く箇所は、修正の必要があるポイント。過剰にえぐれば圧迫感が出ますし、緩すぎればホールド感が落ちます。
3. 紙と木型の隙間が教えてくれること
ミリ以下の差でも、足のフィーリングは大きく変わります。数値だけではなく、紙が「吸いつく」感覚を頼りに微修正します。
4. ラスト計測機で基準を揃える
ベースラインとゼロ点を揃えることで、左右や再注文時に同じ条件で比較できます。この工程を省くと、同じ木型を再現するのが難しくなります。
5. 垂直子で各ポイントを座標化
履き心地を決める代表値(甲高・ボール位置・ウェストの深さなど)をミリ単位で測定。感覚で整えた形を、数値という共通言語に置き換えます。
6. ヒールピッチとトウスプリングのバランス
踵の寝かせ具合(ピッチ)と、つま先の反り(トウスプリング)は、歩き出しやすさと安定感に直結します。このバランスが崩れると、見た目は良くても実際の歩行に違和感が出ます。
まとめ
手で削る、紙で見る、機械で測る。この三つの工程を繰り返すことで、美しさと履き心地の両立が可能になります。数値は最終的な目的ではなく、感覚と意図を再現するためのツール。今回の木型も、このプロセスを経て試し履き用のシャドウシューズへと進みます。
NIHIL bespoke shoeについて
NIHIL bespoke shoe 公式サイト
SNSでも日々の靴づくりを発信しています
LINEアプリでのお問い合わせ
下記QRコードを読み込んでいただくか、
スマホでご覧の場合は画像をタップでLINEアプリに移動し
友だち追加していただき、お問い合わせください。

